2004年3月28日のインタビュー Arbeitsjournal

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2025年8月17日更新

2004年3月28日のインタビュー



工藤冬里


・やきものづくりを職業とした理由

ロンドンでの音楽活動を終え、東京に戻ることになった。若いころのようにはいかないという思いがあり、やきものは誰でもできると考え、家業でもある生計をたてるための職業としてこの道を選択した。


・表現のテーマは?

その辺の土でもいいからとにかく砥部の土を使ってやらないとダメだと思う。音楽は自由であるが、やきものには産地、素材といった制約があり、音楽の持つ即興性を持ち込もうとすると難しい。

・陶芸に対する父の姿

父のやきものは、理にかなっているだけに無言の圧迫感がある。みんながいろんなことをしようとするから、オーソドックスな形を目指している。限られた世界の中で出された答えとして完璧であるが、ぼくは継承できない。不自然でないもの、必要性のある形、即興性がないところで自分のポリシーが否定されるし、追随だけではダメだと思う。


・この世界の魅力は

音と土は、その人そのものが出やすい。やきものも音楽と同じでうまい下手はなく、思い入れなどテクニックでない世界で勝負できる。そういうところに魅力を感じる。磁器は苦しいものですが、ただの趣味ではなく、その域を出たい。


(終)


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